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チロル ペティグリュー山のすてきな季節

ペティグリュー山のすてきな季節(3)

更新日:

「あき」

ベリル・ペティグリューがどこに行ったって!

しばらく前からヴアリさまと一緒らしいよ。聞いた話だけど。


風もずいぶんひゅっと吹き込んできたから、ヴアリさまに何か持って行ってあげたいのだけど、心まであっためるのは難しかろうねえ。具合を悪くして寝込んでるってのも、ベリルがどうこうって聞いたよ。あの方も哀れなことにね。親に見せる顔がないから、隠れてもいそうだけど。

きれいなものも三日で飽きるって言うでしょう、そういうものこそ宝箱の一番奥にしまっておいて時々奥から取り出して、見て片付ける。それがいいってことさ。どこぞの姫も、棺に入っていた時が一番美しかったと思うね。


ベリル・ペティグリューは大きな翼をばたばたさせなくなった。

その代わり、秋の狩人がヴアリさまをお参りした時に、あの子に勇気をやったってさ。


「シカもウズラもサケも皮を剥がなきゃ食えたもんじゃないが、一皮剥けば食べられるってわけじゃない。もう一工夫必要だ」


どれだけ大きくなったか、興味はあるね。誰か見てきてよ。

今年の始まる前に予定していた獲れ高と、秋の終わりまでに採れたもので、冬が終わるまで食べていけるか計算しておいて。シカ、ウズラ、サケの分は今年はなくてよさそうだね。畑はねえ、春から夏の分が痛かったね、あれは。風車と水車は雪の降る前に直しておこうね。ほら見て、あちこちつぎはぎだらけ。アリはそこのツツミから崩す気はないそうだから安心していいよ。

それにしても空がさみしくなったし、静かになったねえ。雨の時は、ばだばだうるさいくらいだけど。


つづく

次回投稿  7月8日 12時予定

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