TEL:075-874-7938

トリックアート ブログ

トリック・アートの気まぐれなつぶやき~歴史を斜めに読み解く編~其の③ 問題あり歴史研究!

私が現代の歴史研究に問題あり!と考えたのは、太平洋戦争後の我が国の歴史研究の基盤にある以下の2つの視点についてです。


一つ目は、①「皇国史観」の徹底的排除
二番目は、②「封建的」の異常なまでの嫌悪

三つ目は、③極端な一次資料偏重主義の傾向

 


特に①は排除というより、もう弾圧・抹殺ですね。これによって、例えば、歴史教科書や出版物等から、数々の興味深いエピソードが削除,または改変(悪)され、現代現代日本人の記憶から忘れさられようとしております。

これ以上この問題について詳しく踏み込むことは差し控えますが、一つだけ、どうしてもお伝えしたいエピソードを簡単にご紹介だけしておきましょう。


時は、平安時代末期の源平の戦いというか、政権抗争の真っ只中昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でいうと前半部分でしょうか。時の最高権力者・大政大臣(現代でいえば総理大臣)平清盛さんの長男である平重盛さんのエピソードです。

もう一人の最高権力者である後白河法皇がその横暴に懲り懲りして「打倒平家」の陰謀を密かに京都市左京の鹿ケ谷(今の京都造形大学の近くの山中)で近臣達とめぐらします。これがあろうことか近臣の密告者が清盛に訴え出て、露見します。怒った清盛達平家一門は、関与者を次々と取り調べ処刑します。それでも怒りの収まらない清盛はついに黒幕・首班である後白河法皇の逮捕追討を決意し、完全武装の上御所にせまるべく準備整えます。そこに一人遅れて、しかも平服のままの重盛が落ち着き払って駆けつけます。その姿に驚いた一門は武装もしないで落ち着き払っている重盛を「これから、皆で御所に攻め込もうというのに、一体お前何考えとんねん?」と父清盛も含め散々になじります。


それに重盛が冷静に返答します。「近衛大将(いまの皇居警察長官か?)であるこの私に一体攻め込むべき敵がいるとは到底思えん。オトンたちこそどないしはったんです?」この態度に清盛増々怒り、法皇逮捕の罪状を次々に述べ立てます。

これに重盛が

「忠ならんと欲すれば孝ならず!孝ならんと欲すれば忠ならず!我、ここに進退極まれり!」と溜息まじりに独白します。わかりやすく言うと「私の今のご主人である法皇様様に忠節をつくそうとすれば、うちのオトンに逆らうことになる。これは親から受けた恩は山より高く、海より深いとお釈迦さんもとかれているのに背くことになる。まさに親不孝である。逆にオトンの言うとおりすればご主人である法皇様を裏切ることになる。まさに不忠である。じゃぁ、一体私はどうしたらよいのか?わからん!もうつくずく人間やめとうなったわ!。」
てな意味でしょうか?ここで思い出すのはあのイギリスの世界最高の作家と言われるウィリアム・シェイクスピアの最高傑作「ハムレット」の主人公の有名な独白「tobe or not tobe!」です。「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ!」あるいは「わが父上を暗殺した憎き犯人を殺すべきか?生かしておくべきか?」と解釈されます。
つまりシェイクスピアから遡ること500年前に地球の東の果ての小さな無名の島国、後進国の国「日本」でそれに匹敵する独白があったという言う事実(例えエピソードとしても)を埋もれさすのは如何かなものか?とトリックアートのつぶやきでした。
‣・・・・お終い。


次④は
「本能寺の変を企画し信長・光秀をはめた真犯人とは誰だ?」編です。

-トリックアート, ブログ
-