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チロル

も一度読みたい!昔ばなし:3.3考察

Howdy! 僕は夢旅チロル、童話大好きのチロルさ

*モノガタリで満たされた――

 3話にわたって掲載した「白雪姫」、いかがでしたでしょうか。それでは長らくお待たせした、物語のテーマについて私の考察を語ります。今回は翻案、妄想についてもだべっと語っていきたい拘りがあるので、文字サイズを変えますので需要に応じてすっ飛ばしてください。この童話は「子供の成長」「助け合い」「希望の結実」などを描いた作品なのでしょうが、個人的に近代重要視されているのは、テーマ3『壁の痕』だと思うのです。親と子、両方が読む物語であるがために。

試練、壁の高さ、壁の痕。

それにしてもずいぶん長い間書いてましたね、あいだにおはなしの推敲などを挟みもしましたが 書けば書くほど書きたい伝えたい要素が増えてこのたらくぅ!褒めて…頼む…

 

☆前日譚と主軸

 「トム・チット・トット」をご存知でしょうか。悪魔の変な名前を当てさせられるアレです。名前のバリエーションがあったり、日本にも似た話があったり、中国の化生は大体名前を呼ぶと追い払えたりしますが 美女が王妃になり、試練を課される。現れた悪魔に試練の達成を頼むが、試練終了までに名前当てに正解しなければならない。運良く名前を知り、試練を達成し利用した悪魔を追い払う一石二鳥展開のお話。美貌と運だけが取り柄の女性が、娘にそれを上回られる…一人の女性として許すだけの器がなかった。そんな嫉妬に狂う母親の皆さん?

この王妃が、いかにも白雪姫の母にピッタリ!と思いました。裏話です。

 あ、話は逸れますが有名なパターン分岐ありますよね、こちらは実母、三度の襲撃、そして妃の最後はオリジナルです。こうやって見ると、白雪姫すごい受け身だな! そんなわけで、動ける白雪姫を目指したところもあります。

そして意識したのは、白雪姫自身の成長と妃の老衰(変貌)ですね。ラスト愛され玉の輿では妃と変わりありません。成長と実力あってこそと思いましたし、王子に婚姻をぐいぐい攻める方が今時の女性像っぽいかなと。そして狩人=王子は趣味と後述あって設定繋げちゃいました、ぐへへ!

 それでこの類の童話で気にかかるのが悪役です。戦隊やアニメなどではやった分とっちめられることが多いながら、童話ではスルーされたり過剰な報復を受けたり それこそが私が意識した「壁の痕」でございます。 『母が魔女になるかも――私も子供に嫉妬するかも――そしてむごい報復を受けるかも!』  ――そんな恐怖心の発露を世の母親は恐れ、母娘の争う話に対し、「1」でグリム兄弟が指摘された通り、白雪姫も養母(他人)に攻撃される話になりました。

私は、女王との決着はむしろ必須だと思いました。そこで耳にしたのが最近のえほん白雪姫像です。女王を『許す』結末でけじめをつけているというのです。うそぉ?逆に信じがたい。マイルド越してスイーツ。しかし世間が求めるなら受け入れるべきか。大人として『罪人を許す』『罪を許される』事にどれほどの葛藤があるか知った今でさえも。 そちらも認めるべきとは思ったし、それでもただ許すとは言えなかった。

だから、物語を枝分かれさせました。双方を認めるために…。

 

☆白雪姫の成長物語

 白雪姫が森に追放されてから王子と結婚するまで、約10年の年月を頭の中で流しています。10~20歳くらいですね。森に入って小人たちと能動的な生活を始めてから、彼女はパーソナリティを獲得したと考えています。

 城の中の白雪姫は母である女王と同じものを身に受けて育ち、女王の延長線上にあります。美貌と運の良さと地位で周りに可愛がられる少女で、若いだけ白雪の方に分があります、が、己の世界の箱庭の主である母に良くも悪くも従順です。

己の基準である母と箱庭を一度に失った白雪姫は、その分新たな価値観を手にする機会を与えられます。それまで親と違うものにぜんぜんなろうとしなかったのが、白雪姫の本当に受動的なところ。今までの考えを引き継ぎながら、まったく新たに出会った、全然違う相手、それが小人たちでした。しかもでもって、まるで別の生活を始めさせられるのです。

 これで元の白雪姫の考えるままだったら森の苔と化してたよね! …もとい、ただの白雪姫だったよね!

というわけでウチの白雪姫がそこぬけ姫と化していきますが、私の中の姫の成長計画に合わせて女王の試練も3ステップ用意しました。

 最初期の白雪姫は、森や小人や新しい生活に慣れるのに必死です。まだまだ言われるがまま、新しい知識も付け焼刃で、自分最優先で他者に気を配る余裕がありません。 白雪姫は、「知らないもの」を反射的に打ち倒し否定することでいっとき身を守りましたが、城での生活への未練、見知った「櫛」を安易に手に取ることでヤラレチャイました。 おしゃれは同時に思春期と女性の開花ではあるけども。

 やがて白雪姫は、生活にも慣れ、自身を守り育てながら誰かのために身を尽くすことができるようになっていきます。しかし、本当はまだ誰かの手を借りて生活ができていることに、姫は気付いていません。 姫が茶葉を干そうと縄を手に取るのは、誰かのためになりたいという気持ちであると共に、幼子が「お手伝い」できたのを自慢し褒めて欲しがる心境でもあります。 そんな自己顕示欲で、姫はヤラレてしまいました。

『魔法の家』は、後述もしますが、姫が来る前までの小人らの生活を支えてきました。最低限の仕事しかできないし、たまにドジるし、それでも今までの小人は満足していたけれど、姫に自分以上の働きをされてしまった、実力不足の欠陥住宅です。 必要だが、必要最低限しかできない。それもまた、白雪姫が超えて掴むべき力。己の力を姫に超えられるとわかって『家』は姫を手助けします。 小人たちは、身内にも疑心を持てと言いましたが、彼らは今までの恩義からして『家』に疑心を抱くことはないと思います。

 白雪姫、もとい普通の女性になっていた彼女は、もう一度姫の立場に立ち返ることにします。姫から、女王になり、国母になる。一生森で暮らす未来、いつか森の外で暮らす未来双方を見つめつつ、改めてその役割に努めようと思うのでした。 自分が学ぶこと、誰かを助け優しくすることに、「姫として」という一本筋の目的を通します。目的を明確に定めれば、やることを絞り選ぶ事が出来ます。 今までにとにかく何でも学ぼうとしていた彼女とはまた変わりましたね。

こうして頼りがいのある優しくて行動的な女性にまた育った白雪姫ですが、妃で魔女が突いたのはまさにそこ。 助けを求めて頼られ、そして向かった先に、過去の自分を思わせる境遇の幼子がいて、「強さと共に得た弱さ」に白雪姫は付け込まれたのでした。 家がいちはやく察して、拒んだのですが…有能になりすぎたんだ……

☆個人的にこの物語の前日譚として、「トム・チット・トット(別の題名有)」を推します。美女が王妃になり、試練を課される。現れた悪魔に試練の達成を頼むが、試練終了までに名前当てに正解しなければならない。運良く名前を知り、試練を達成し利用した悪魔を追い払う一石二鳥展開のお話。この女性、美貌と運しか取り柄のないアホ()なので、美貌を羨む相手としてピッタリだなどと思い

☆初期蘇生方法は、王子の父王が突如現れ魔術で蘇生し、その後王子が現れるという(呆気)の内容。微妙に採用しました。テテペロ

☆日本での認識も似たようなものかもしれませんが、原生林は魔界や異界とされていました。魔女や妖精や魔物の多くは森を生息地にしています。それだけ、木こりや狩人は異界や人ならざる者に精通した者たちと捉えられていたようです。なら猟師が魔術に詳しくてもおかしくないな(暴論)

小人たちが何なのかは、私なりの結論が出ませんでした。協力的なゴブリンと捉えたり、人里離れた所の鉱夫と考えたり、色々あるみたいですけど。猛虎弁なのは雑な田舎言葉にしたくなかったからだよ。ありがちじゃん。

☆森の国と、その王と王子が本当に人なのかは怪しい。言葉そのまま受け取るなら王は森の統治者、異界を統べる者である。妃/魔女とは少し違うが、親子共に異界/魔術の知恵があり、森に畏敬と尊敬を受けている。「森を含む国」ならまだ人間の可能性は上がる(人間だとは)

ただし一神教であるキリスト教の思考では人間が神の代理たる最強種族であり、地球は全て人の手で制圧できる(暴論) そちらの思考に則れば、外来侵略者として勢力拡大した王族が森を人間の理解範囲内に治めた、という結論に。多神教に則れば、外界の者が同じ外来種を退けつつ、互いの文化を交えながら土着の者との共存の道を選んだという結論に。 なる(はず)

☆なぜか日本でも西洋でも大体そうなのですが、試練を課される場合は大抵三回。 お前は任天堂か いや、逆なんかな・・・

☆私の話を裏の意図までまとめると、少女(姫)が実の母(女王)から美しさを疎まれ、猟師の計らいで森(異界)に入り込む。異界の住人と過ごしつつ、しかし異界の者にはならず、普遍的な女性の強さを身に着けていく。少女、女性、乙女と成長。夫を立てるだけの妻ではない女性像。

一方母親である妃は美貌への嫉妬のあまり心を病み、娘を手にかけて食せば美貌を取り戻せるとまで企み 段階的に狂い、外界にいながら最後は完全に魔の者、魔女と化す。戻れるかは娘の選択次第。

小人の魔法の家を作ったのが森の王だったとか、その息子が昔猟師として修業をしてたりとか、猟犬が白馬と化してたりとか、フラグや小ネタを仕込んだりするのは現代妄想再話としてやりたかったダケー

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