Colorful Rat

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チロル

も一度読みたい!昔ばなし:3.2

更新日:

いっけな~い! 遅刻遅刻~!

Howdy! 夢旅チロルです!

「白雪姫」翻案と妄想の執筆第三弾です。まだ読んでいない方は、下記のリンク「3」から飛んでください。興味があれば、1から各再話・考察に飛ぶことができます。そろそろ挨拶のネタが尽きてきた(あやうい)

  → 昔ばなし1

  → 昔ばなし3

◎このページでは分岐ルートを採用しています。分岐XとY、片方が書き終わりましたので一度投稿し、後でYルートをその下に追加します。考察は物語パートを書き終えた後に執筆します。いつも読んでくださっている方はありがとうございます。完結までしばらくお待ちください。

 

 

 

☆白雪姫:前回までのあらすじ

白雪姫は狩人によって逃がされ、小人たちと森で様々なことを学ぶ。一方姫の生存を知った王妃は姫を暗殺しようとするが、森の者たちによって救われる。だが三度目に王妃が姫に仕掛けた呪いは、森の誰にも解けないものだった…。

試練、壁の高さ、壁の痕。

 

 

 ある日、森の中に美しい少女が倒れていると森の者が白雪姫に知らせに来ました。美しい服を汚し、ふところにりんごひとつだけの少女を姫は小屋に連れ帰り介抱します。目を覚ました少女は疲れた顔で辺りを見回し、姫を見てワッと泣き出しました。

「うう、…おねえさま、おねえさま、わたし、おかあさまにおうちを追い出されたの……これから、どうしよう……」

その姿はまるで昔の自分のよう。姫が一生懸命慰めると、少女はじきに笑顔を取り戻します。しかし少女を迎え入れるため、家の扉を開けようとしてもびくともしません。

「仕方ないわ、何か食べましょう」「じゃあおねえさま、このりんご、はんぶんこで、食べたい!」差し出されたりんごを、姫はまあ一口とかじりました。

 姫は倒れ、少女の皮を剥いだ魔女は高らかに笑い、その場を去りました。

 

『家として欲張りな私をお許しください ひとつ願うは姫の命を ふたつ願うは姫を守ると みっつ願うは姫を救えと』

「嬢ちゃん、嬢ちゃん……」

 ついに、美しく賢く優しい姫はそれがために、陥れられてしまったのです。小人たちの努力むなしく、冷たい体だけがそのまま。せめてと彼女のベッドを棺に作り変える頃には、小屋はすっかり傾いてしまいました。小人たちもただ無気力に、姫の棺を囲う日々を過ごしました。

 ……そうして悲しみにくれる森の中に、一人の男が入ってきました。

男は森の川や藪や獣をものともせず、森の奥深くにある小屋の跡地に辿り着きました。 森はざわつき、小人たちも当然姫の棺の前に立ち並びましたが、男を実際見て怖気づきます。丈夫な服に立派な衣をまとい、飾りでない防具と武器を携え犬を連れた屈強な男は、何より気品があったのです。そして既視感も。

「気高き乙女が棺の中で眠っていると聞いたが、まことか?」「は、はい…」「見せてくれないか」「ですが、もう死んでおります」「構わない」

姫の棺を開けた男はしばらくその顔を覗き込んでいました。今や森中の視線がこの棺の周りに向けられています。小人たちは奇妙な男を見守りながら話し合います。「あれは誰や? 見たことあらへんか?「こうして見せて大丈夫なんかいな?「嬢ちゃんの事どうして知ったんや?」やがて一人が、おずおず話しかけます。

「死んでいるのに、ずっとこのままで。まじないでもかけられたようです」

「彼女は呪い殺されたのだ。彼女はある想いに飢えていたがために、付け込まれたんだ。だがこの森にいる間、気品を捨てず、共に在る者の事を考え、思いやりは慈悲深かった。がために、強い祈りの力でこの世にとどめられて…」

 悲しそうに話す男は、突然乙女の体を棺から抱き上げました。あッ、と叫んだ小人たちの前に、白馬が足を踏み鳴らしました。 そして男は愛しい者にするように、やさしく、姫にくちづけたのです。

男のいくばくかのくちづけのあと、姫の唇から暗い欠片が零れ落ち、溶けて消えました。姫と握った手のひらから温かさが、鼓動の音が重なり、まばたきし、すうっと吸い込んだ空気。 乙女は、目を覚ましたのです。 彼女はいくつかむせ返り、男の顔をしっかりと見ました。

「・・・かりうどさま?」

「ああ、そうも呼ばれていた。久しぶりに会えてとてもうれしいよ。白雪姫。貴女は別れた時から変わらぬまま、成長した。きっとそうなると信じていた」

「どうして…ここに、私は…その姿は……」

「女王だ。彼女の呪いのため、貴女は今まで眠り続けていた。俺は修行のために女王と貴女の城にいたが、あの時は助けられなくて本当にすまなかった。俺は、本当はこの森の国の王子だ。父上がこの家からの声を聞いてね、貴女を救うために駆け付けたんだ」

「では、王子さま?」「だーッ! 見たことある思うたらあン時のオッサンの息子…いや無礼を許してくださいな!」

 王子と白雪姫は、慌ててひれ伏す小人たちに笑いかけます。「無礼講である」と王子が嬉しそうに言った途端、小人たちは飛び跳ねて踊りだします。互いに握り締めた手は、すっかり大人になってもあの時と同じものです。

「あなたは二度、二回も私の命を救ってくださったのですね、王子様。ありがとう。ありがとうございます」

王子への感謝の気持ちを、姫はすなおに伝えます。森中からも、姫の目覚めを祝い喜び歌う声が、感謝の声が響いてきます。

「白雪姫さま! 私はあなたに傷を癒してもらいました!」 「白雪姫さま! あなたのおかげで俺たちは仲良くできました!」 「白雪姫さま! ぼくの子供たちはあなたによって健やかに育っています!」 「白雪姫さま! あなたは森に楽しみを吹き込んでくれた!「喜びを知った!「悲しみを乗り越えられた!「森と共に育った!森の光だ!」

「「「 白雪姫さま! どうかあなたのお望みの幸せを! 」」」

 響く声援の中で、白雪姫は王子をじっと見つめます。しばし顔を見ていましたが、やがて真剣な顔で頑丈な鎧やよく手入れされた銃、衣や腕やをぺたぺた触り、ふたつ頷くと、王子の頬に手を添えて強い意志を込めた瞳で言いました。

「王子さま。この先私とずっといっしょに、この森をもっと良くするために、力を尽くしてくださいますか?」

「ああ、はは……これは、手厳しい伴侶になりそうだ。誓おう、俺はずっと愛すると」

照れたようにそう答えた王子に、今度は白雪姫からキスしたのでした。

 

 

☆いまどきルート

 森の国の立派なお城に、白雪姫は迎えられました。小人たちや特に姫を慕う森の者たちも着いてきて、そしてまた王国の者たちにもとても歓迎されたのです。父王は王子と姫が互いに大人になった頃に、また巡り会わせるつもりだったのでした。 父王は王子のカリスマと心の強さ、姫の知恵と心優しさを確かめ、結婚を認めました。王位も譲られることになりました。なんやかんやありましたがこうして、

二人は森の国の新しい王と女王になったのです。

 

 一方、姫を討ち取った妃はすっかり満足していました。そこに夫の王から、「森の国に新しい王と女王が生まれた祭典」の知らせが入ってきました。昔王子を猟師として迎え入れていた縁もあり、どれ、新しい女王の顔でも確かめてやろう、と妃は森の国へ発ったのです。

 祭典の日は見事なものでした。国を挙げての祭りです。花が咲き、音楽隊たちは奏で踊り、城は輝かんばかりに飾られています。民たちも城の庭で料理と享楽を楽しんでいます。 女王も夫や貴族らと共に城に着き、少し風変わりな使用人たちに手を引かれて、王侯貴族の控室へと案内されます。招待された者たちは城一番の広間に招かれて、絢爛な席で豪勢な料理でもてなされる事になっていました。 さて、宴の始まりです。王と女王の二人は最後に入室することになっていました。その前に、コックとその弟子たちが料理を配り始めました。何やと首を傾げる貴族たちにコックが説明します。

「こちら、女王様の意向でお先にと。りんごのコンポートでございます」

配り終えた頃に、森の国の新しい王と女王が広間に入ってきました。

二人の姿を見て、妃は顔を真っ青にしてりんごを取り落とします。あの元猟師はまだしも、隣にいるのは憎く美しい白雪姫ではありませんか。妃の全身が真っ赤になる中、王侯貴族たちは新しい王と女王にどよめき、賛辞の言葉を送ります。二人は礼をすると、王が良く響く声で話し始めました。

『みな、森の国の新しい門出を祝うこのすばらしき日に、集まってくれてたいへん嬉しく思う。私も我が妻も、この国を愛しこの国のために良く務める事を誓おう。そのために、貴方がたとも手を取り合って』

「おかあさま!!!!!」

 壇上から突然走り出した女王に「ちょっ、ユキ」みな唖然と彼女に釘付けになります。喜びと涙で潤んだ顔さえ美しい女王は、まっすぐに、ある国の女王に抱き着いたのです。そう、顔を白黒させる、白雪姫の母に。

「おかあさま! やはりおかあさま、来てくださったのですね! あ、そういえばお久しぶりです、おとうさま! わたし、もうすごくうれしくて!」

「ついで?」老いて厚化粧をした女性に抱き着く女王に、周りは言葉を失います。誰もその国の姫と森の国の王子が結婚したと知らなかったのです。

「おかあさまには感謝しております」 「どうして…」

「わたしはおかあさまのおかげで、城の外の世界を知り、学び、そして私の望んだ王子…王と共に国を作ることになりました。身を隠しておいででしたが時々、わたしの様子を見に来てくださいましたよね。わたしはいつも、離れたおかあさまを想っていましたよ」 「どうして……!」

嫉妬に焼かれ、悔し涙さえ流す母に、娘は優しく語りかけます。

「おかあさまは、わたしのことがキライだったのですよね。存じておりました。「なッ・・・」でも誰かをうらやんだり、嫌ったりは当たり前で…それに吞まれて、大きな間違いを犯してしまうこともある。おかあさまも、そうだったのでしょう」

白雪の妃は、ひと呼吸置きます。静まり返った宴席の中、緊張した面持ちの王に軽くウィンクして、話を続けました。

「それでもわたしは、だからこそみなにやさしく穏やかであるべきだと、思い、この国で努力を積み重ね、実現することができました。小人の皆さんにはナイショにしていたけれど、わたしはおかあさまからの贈り物をみな大事に取っておいてありますよ」

そして、すっかり老いた母をやさしく胸に抱いて、白雪の妃は確かに言いました。

「おかあさま。おかあさまの間違いを、わたしは許します。ありがとう」

「  …… おまえはどうして、そんなにおひとよしなの!!」

 お妃さまは、叫びました。どこかで鏡が割れる音がしました。二人の涙がぎらつくドレスを濡らし、呪いはちかちかして解けました。もう、魔女はいません。あたたかい母娘の姿に、ある者は涙し、ある者は顔をほころばせ、ある者は少しの苦い顔の後ため息をつき、ある者はそっと拍手を送ったのです。

母娘が落ち着いた後、お妃さまは控え室で休み、宴は続きました。誰もが、この二人はこの国をもっと良くするだろうと思いました。そして、本当にそうなったのは、後のお話です。

 お妃さまは白雪と自分の夫と、森の王とその父王に、己の話を全て打ち明けました。それでも、白雪は母を許します。世の批判からできうる限りで守ると約束します。 白雪は自分にも、母と同じ後ろ暗い心は眠っていると言います。子を授かり育てるには、親自身にも様々な困難がつきものなのです。しっかり考えなければなりません。

 森の王と、女王と、その愉快な小人たちは、国のために知恵と力を尽くしました。ある時は白馬、あるいは猟犬と共に。王族たる身なりと振る舞いで、または民と近しい姿で。その時代を多くの人が最後には、楽しかった、と語ります。 王の力強い心も、白雪の慈悲深い心も、そして妃のみにくい心も、いまの私たちに受け継がれているのです。わかるでしょう?

 

 

☆むかしながらルート ・・・?

 

 

 

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